聖籠町を津波が襲った場合、あなたは避難する場所を決めていますか?
大地震が発生すると日本海側では、津波は最速で第一波が10分で到達することが
あります。
ぜひ覚えておきたい津波発生時の取るべき行動や避難場所、津波の恐ろしさについて
ご紹介します。
津波が起きたらまず逃げろ!
2011年の東日本大震災では大津波が発生し、甚大な被害をもたらしました。
日本海では津波は来ない、とも言われながらも、その根拠も定かではなく
ここ数年続く不気味な気候変動を考えると、いつ大津波が日本海を襲っても
おかしくはないかもしれません。
「津波てんでんこ」という言葉を聞いたことがあるかと思います。
古くから津波が多く発生した東北・三陸海岸地方で伝わる教えで、
津波が起きたらてんでんばらばらに逃げよ、と言う意味です。
三陸海岸では記憶に新しいところでは、1896年の明治時代に、
また1933年の昭和戦前時代にそれぞれ大津波が起きています。
日ごろから津波が起きた時にはどこへ逃げるか?
各家庭で話し合って決めておくとともに、いざというときは家族や
親せきなどのことはかまわず一人で、一刻も早く逃げなさい、
というのが津波の難から逃れるための知恵とされてきました。
津波はこんなに怖い!
津波の特徴として、
1.沖合ではジェット機並みの速さで発生する
津波発生時に海に入る場合はすぐに海から上がり、
海岸から離れなければなりません。
2.引き潮が起こらないことがある
地震が起きる状況や震源付近の地形などにより、引き潮が起こらない
こともあります。
3.津波は来たら一度きりではない
津波は繰り返し2波3波と襲ってきて、しかも1波より大きく
なることもあります。
4.東日本大震災での大津波の高さは10m以上
最大で40m以上もの津波が襲ってきました。
5.津波の破壊力は私たち人間の想像をはるかに超える
海底から海面までのすべての海水が水の塊となって、陸に押し寄せます。
当然その水圧はすさまじいもので、あらゆるものを飲み込みます。
海へと波が戻る「引き波」は長い時間にわたって続くため、
家屋など建物はあっという間に、海の中へ引きずり込まれて
しまいます。
6.日本海側は津波の到達が早い
昭和58年(1983年)に起きた「日本海中部地震」、
秋田県男鹿市の海岸では津波の高さは最大10m、時間にして最速10分で
第一波が到達しています。
また平成5年(1993年)に発生した「北海道南西沖地震」では、
震源地に近い奥尻島へ津波が到達したのはわずか数分と言われています。
命を守る津波からの逃げ方
1.高い場所へ避難する
津波は10mほどに到達すると考えると、
小高い丘や山など高台のある場所へ逃げるのが先決です。
2.車で避難するのは場合による
車で避難すると渋滞が発生し、それだけ逃げるのが遅くなります。
ただ、車で移動しないと高台へ避難できないという地域もあります。
その時々で各自が判断することになるかと思います。
3.河川から離れる
津波は早い速度で川をさかのぼります。
避難する時川の近くの道や橋を通ると、津波に巻き込まれる可能性があります。
4.船に乗っているときは沖合で待つ
海で船に乗っているときは、急いで港へ戻らず、沖合へ向かいます。
沖合では津波を感じないため、被害を避けることができます。
津波注意報、津波警報について
気象庁は地震発生から3分後、津波が発生する恐れがあるときに
津波注意報または津波警報を発令します。
| 警報・注意報 | 津波の高さ(予想) | すべきこと | 被害状況(想定) |
| 大津波警報(特別警報) | 5m~(最大で)10m超 | ただちに高台や避難ビルに逃げる。 | 木造家屋全壊、流出。人が津波による流れに巻き込まれる。 |
| 津波警報 | 3m | 高い場所へ逃げる。 | 標高の低いところでは浸水被害が発生。人が津波による流れに巻き込まれることも。 |
| 津波注意報 | 1m | 海の中に入る場合はすぐに岸に上がり、海岸から離れる。 | 海の中に入ると津波から来る速い流れに巻き込まれる。小型船が転覆する。 |
2024年元日の能登地方大地震で津波警報発令
2024年1月1日午後4時10分頃、石川県能登地方で最大震度7を観測する大地震が発生、
聖籠町を含む新潟県全域では、津波警報が発令されました。
津波は、新潟県柏崎市鯨波で0.4メートルが観測されています。
当初の予想では、最大3メートルの津波とされていましたが、
実際には10分の1強の高さの津波でした。
しかし、これはたまたまかもしれません。
次に大地震が来たときは、本当にどうなるかわかりません。
津波警報、注意報とは?
気象庁が地震発生後津波が起きると予想するとき発表するのが、
●大津波警報
●津波警報
●津波注意報
の3つです。
地震が起きてから約3分で警報または注意報は発表され、
予想される波の高さや到達予想時刻なども併せて情報提供があります。
| 警報・注意報 | 予想される津波の高さ | 取るべき行動 | 被害の想定 |
| 大津波警報
(特別警報) |
●5m
●10m ●10m超 |
ただちに高台や避難ビルへ逃げる。
津波は第2波、3波と繰り返し襲ってくる。特別警報が解除されるまで安全な場所から離れない。 |
木造家屋が全壊、流失。人間や物が津波による水の流れに巻き込まれる。 |
| 津波警報 | 3m | 大津波警報発表時と同じ。
またより高い場所を目指して逃げる必要も。 |
標高の低い場所では浸水被害の恐れ。 |
| 津波注意報 | 1m | 海の中にいた場合はすぐに陸に上がる。海岸から離れ、高い場所へ避難を。
波の高さが低いからと言って油断せず、注意報が解除されるまで海には近づかない。 |
海の中にいたままだと波の速い流れに巻き込まれる。
小型船舶の転覆。 |
聖籠町民は山手へ逃げるのも一手
能登半島地震発生直後、ラジオの報道でも何度も繰り返し言っていましたが、
日本海を震源とする地震で起きた津波は、「極めて短時間で」
到達します。
大地震が起きたらまず、震源地を確認し、日本海側であれば津波が来る
ことを想定し、高い場所へすぐに避難しなければなりません。
車での避難は場合によるものの、津波は一刻を争うので
すぐに高い場所へ避難できない時は、速やかに車で山手方面へ
避難することをおすすめします。
聖籠町にお住まいの方が山手方面へ避難する場合、
具体的には新潟市北区黒山経由で「新発田市月岡」方面へ、
また「新発田市二王子山方面」などが良いと思われます。
聖籠町の津波避難ビルや津波避難場所
車で避難できない場合や時間がない時は、お住まいの地域にある高い建物
「津波避難ビル」や「津波避難場所」を目指しましょう。
| 避難ビル名 | 避難先 | 高さ | 避難対象地域 |
| JA東日本くみあい飼料(株)新潟工場 | 3階中央操作室前 | 16.7m | 東港 |
| 新潟県運転免許センター | 2階・3階 | 11.0m | 東港 |
| 新潟東港港湾労働者福祉センター | 屋上 | 14.9m | 東港 |
| プラント4聖籠店 | 屋上 | 10.6m | 杉谷内・甚兵衛橋 |
他にも、
蓮野・山倉・亀代各小学校、聖籠中学校、結いハート聖籠、町民会館、
聖籠町役場などがあります。
これらの建物は2階もしくは3階建てで、屋上もあります。
津波ハザードマップを確認
聖籠町が作成している「津波ハザードマップ」を見ると、
津波が起きた際東港や網代浜、次第浜の沿岸部は浸水被害が発生すると
予想されています。
*聖籠町発行の「災害ハザードマップ津波編」 >> こちら
まとめ
2025年7月30日にはカムチャッカ半島付近でマグニチュード8.8の
巨大地震が発生し、太平洋沿岸の広い範囲で津波警報が発表されました。
岩手県久慈港では1m30センチ、仙台港では90cmの津波を観測しています。
太平洋側で津波が発生した場合の到達時間は、地震が発生した場所にも
よりますが、今回のカムチャッカ半島付近で起きた地震では、
発生から北海道到達まで1時間半ほどの時間がかかっています。
日本海側では津波は数分単位で到達することがあるため、
地震が起きたらすぐに情報を確認し、津波の予想があれば、
速やかに避難する必要があります。

