朝起きられず立ちくらみも【起立性調節障害】は中高生の不登校の原因にも⁉どうやったら治るの?

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起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい=OD)は小学校高学年から中学生、高校生の思春期の子どもに見られる病気で、症状が進むと不登校になる原因の1つとも言われています。起立性調節障害について症状や治し方、治る時期や高校進学などについてご紹介します。

起立性調節障害は思春期に多い病気の一種

起立性調節障害(OD)は中学生や高校生など、思春期の子供たちによくみられる病気で、

自律神経機能が低下して起こります。

症状としては、

・朝起きることができない

・立ちくらみがしてふらつく

・頭痛で思考低下になる

・体がだるい

・疲れやすい

・長時間経ち続けることができない

などが挙げられます。

 

症状がさらに悪化すると、失神や失神寸前まで行くこともあります。

 

起立性調節障害のような症状が見られ、子どもが学校へ行きたがらない、

学校を遅刻したり欠席することが多くなった場合は、

早目に小児科を受診することが必要です。

 

起立性調節障害で体がだるかったり疲れやすいのは午前中が中心で、午後から夕方になると元気が出てきて、遊びに行くことも。

そのため、「さぼり」や「怠け」と見られてしまうこともあるため、親はもちろん先生やクラスメイトなど、周囲の理解が欠かせません。

起立性調節障害で不登校になる生徒は約3~4割

起立性調節障害で不登校になる生徒の割合は、約3~4割ほどと言われており、決して少ない数字ではないと思います。

【参考資料】日本小児科学会・起立性調節障害アンケート

起立性調節障害でも比較的症状が軽く、普段の生活に特に支障はない子は中高生の10%ほどですが、

約1%の子は重症で、欠席を繰り返し不登校になるケースがあります。

小学生でも起立性調節障害はある

起立性調節障害は中高生に多く見られますが、小学生でも発症することがあります。

起立性調節障害は大体10歳~16歳くらいが多く、小学生は5%、中学生は10%の割合です。

起立性調節障害の原因は?

起立性調節障害の原因は、

・元々自律神経の働きが弱い

・成長の発達過程にあるため、交感神経と副交感神経のバランスが不均衡

・精神的ストレス(勉強、家庭、学校、友人、先生、先輩後輩などの人間関係)

・ホルモンバランス(生理や二次性徴など)

が主なものです。

朝起きられない、体がだるいのは、自律神経がうまく働かず、全身への血流が悪くなるためです。

夕方から夜に元気になるのはなぜ?

起立性調節障害の人の場合、朝起きてから自律神経が働き始めるまで時間がかかります。

一般的な活動時間と比べ、5~6時間ずれているので、午前中は体がまだ休んでいるような状態です。

午後になると次第に元気が出てきて、夕方から夜には交感神経が活発に働きます。

そのため夜になってもなかなか寝付けず、朝起きられなくなってしまいます。

朝起こすときはゆっくりと

起立性調節障害では朝目覚めた時、全身の血流が悪くなっているため、急に体を起こすとふらつきやすくなります。

体をゆっくり起こし、しばらく床に座った状態で体を慣らしてから、立ち上がるのがおすすめです。

何かと忙しい朝、ご家族はイライラしてしまうこともあるかもしれません。

ただ本人は起きたくても起きられないので、辛抱強くゆとりをもって起こしてあげてください。

 

こちらの記事に詳しく書かれています。 

⇒ 起立性調節障害の子どもが朝起きられない・起こし方や起こすときの注意点

起立性調節障害は女子に多いの?

起立性調節障害は、男子を1とすると女子は1.5~2と、最大で女子は男子の2倍にもなります。

朝が苦手で立ちくらみしやすい人は元々、自律神経の働きが弱い傾向にあり、起立性調節障害になりやすいと言われています。

また女子の場合、起立性調節障害は生理(月経)とも関係があります。

生理で体内の血液量が減少し、ストレスもかかりやすいことから、女子で起立性調節障害になる子が少なくありません。

起立性調節障害は治るの?

起立性調節障害は、思春期を過ぎると自然に治ってしまうことが多いようです。

発症後1年ほどで半数の人が、2~3年では8割の人が治ると言われています。

ただ、起立性調節障害では体調が悪い状態が続くわけですから、治療など何もしないでいると、

本人もつらいですし、家族や周囲の方たちも心配でしょう。

 

起立性調節障害を治す方法としては、生活習慣の改善がまず挙げられます。

体を動かし、栄養や水分を摂る、睡眠リズムを整えることから始めてみましょう。

 

起立性調節障害の症状で悩み、医師の診断を仰ぐこともあるでしょう。

病院では、血圧を上げる薬を処方される場合もあるようですが、薬を使った治療法はあまり過信せず、

日々規則正しく生活するよう心がけるのが良いでしょう。

 

起立性調節障害の食事は何を食べる?

起立性調節障害は、鉄欠乏症による貧血を併発して症状が悪化する場合があります。

女子は特に、生理で失われやすい「鉄分」を意識して摂りましょう。

鉄分は赤身のお肉やレバー、ひじき、ホウレンソウなどに多く含まれています。

 

病院を受診したら「鉄欠乏性貧血」を指摘され、鉄剤を処方されることもあるでしょう。

鉄剤はある程度貧血が改善されたら、飲まなくてもよくなりますので、

普段から食べ物から鉄分を摂るようにしましょう。

 

また女子の場合、「痩せたい」「細くなりたい」と体型にこだわるあまり、栄養不足に陥ることも・・・

たんぱく質をきちんと摂ると、疲れにくい体を作ることができます。

たんぱく質は食べ過ぎなければ太りません。

肉や魚、たまご、豆腐、納豆など、たんぱく質を豊富に含む食べ物を安心して食べてくださいね。

 

起立性調節障害で避けた方がいい食べもの

起立性調節障害では、「血糖値が上がる」食べ物は避けるべきです。

ジュースやコーラ、甘いカフェラテやミルクティーなどの甘い飲み物は血糖値を急激に上げ、

頭痛や疲れ、だるさ、眠気、イライラなどの原因になります。

スナック菓子やアイスクリームなど糖質の多い食べ物は食べ過ぎないようにし、

お楽しみ程度にしましょう。

こちらの記事に起立性調節障害の栄養面について、詳しく書かれています。

⇒ お子さんに多い【起立性調節障害】と栄養について

完治するまでどれくらいかかる?

起立性調節障害は適切な治療を受け、完治するまでは軽症であれば2~3か月、

学校を長期欠席、または不登校になるくらいの「重症」の場合は、2~3年かかるケースもあり、

短期間で完治するのは難しいようです。

自然に症状が改善されない、または重症の場合は、医師による薬物療法を取り入れることもあります。

起立性調節障害は学校に行ける?

起立性調節障害で、学校に行けないということはありません。

ただ朝なかなか起きることができないため、学校を遅刻したり休んだりということが多くなってしまいがちです。

本人は学校に行きたいのに、朝の体調が悪く定時に登校することができないのです。

このことを周囲が理解せず、「さぼっている」「怠けている」「仮病かも?」などと本人に言うと、

「起立性調節障害でつらいのに、周りの人がわかってくれない」と思って、

学校に行きたくなくなる原因にも・・・

 

学校の先生の中には、起立性調節障害についてあまり理解していない方もいらっしゃるかもしれません。

親御さんは担任の先生に、お子さんの起立性調節障害について説明をし、理解を求めましょう。

起立性調節障害で高校進学は?

起立性調節障害で遅刻や欠席が多くなると、内申書での出席日数が足りなくなる可能性があります。

公立高校を受験する場合、起立性調節障害で欠席や遅刻が多かった旨を説明する書類が作成され、

内申書に添付されるようです。

こちらの記事に詳しく書かれています。 ⇒ 起立性調節障害と内申書の話

ただしこうした配慮がされても、成績が足りない場合は内申点は低くなるとされています。

全日制高校への進学を考えているのであれば、公立に限らず私立高校や通信制高校という選択肢もあってもいいでしょう。

「通信制高校」という選択肢

全日制高校ではなく、通信制高校という進学方法もあります。

通信制高校は公立の学校もあれば、私立の学校では、駅に近い立地のビルの1室で開校している学校もあります。

通信制高校は出席日数が少なくても、単位を取れば3年間で卒業OK、登校時間も自由に選べます。

通信制高校にはいろいろな学校があり、大学進学へ特化した学校から、語学やスポーツ、美容など幅広く学びたい分野は選択できる学校もあります。

起立性調節障害のお子さんの中には、通信制高校への進学を選ぶ方も増えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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