ストーカーはご存知の通り、いわゆる
つきまとい行為をする人のことです。
ストーカー被害相談は年々増えており、
男性のストーカーが多いとされています。
女性がストーカーから身を守る方法と対策を考えます。
ストーカー規制法で悪質なストーカは処罰
2000年にストーカー規制法が施行され、
悪質なストーカーには罰則が科せられるように
なりました。
2017年全国の警察に寄せられたストーカーに
関する被害相談件数は、2万3079件。
2000年からの統計開始以来、過去最多を記録して
います。
付きまとい行為を繰り返すストーカーに警告を発したり、
悪質な場合は逮捕に至る場合ももちろんあります。
具体的につきまとい行為とは、
1.つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつき、
尾行など
あなたの後をつける、職場や学校にまで付いてくる、
待ち伏せする、見張りをする、押しかけるなど。
2.監視していると告げる
あなたの行動や服装、様子をいつも見ていると
電話やメールで告げる。
3.面会や交際を要求する
会って欲しい、付き合って欲しいなどあなたに
義務がないことを要求する。
また贈り物を受け取ってほしいと要求する。
4.乱暴な言動
あなたに向かって直接暴言を吐く、
罵詈雑言を書いたメールや手紙を送りつける。
あなたの家の前で車のクラクションを鳴らしたりと、
騒音を立てる。
5.無言電話や繰り返し電話をかけ続ける
度重なる無言電話、拒否しているにもかかわらず
何度も電話をかけてきたり、メールをしつこく送ってくる。
6.汚物を送付する
7.名誉を傷つける
あなたを中傷したり、名誉を傷つけるようなことを
言ったり、書き送ってくる。
8.性的羞恥心の侵害
わいせつな写真や文書を送りつけたり、
卑猥な言葉を浴びせ辱めようとする。
1~4までは繰り返し行うことで、
ストーカー行為とみなさせることがあります。
また5~8までは、繰り返し行うことで「ストーカー」
とみなされます。
ストーカーに対する罰則は、
ストーカー行為をした者は、
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(第18条)
禁止命令等に違反してストーカー行為をした者は、
2年以下の懲役又は200万円以下の罰金(第19条)
禁止命令等に違反した者は、6ヶ月以下の懲役又は
50万円以下の罰金(第20条)となっています。
警視庁HPより ストーカー規制法
つきまといなどに対する防犯対策
特定の人物につきまとわれていると感じたら、
いつでも110番通報できるよう携帯電話を
設定しておきましょう。
外出時には防犯ブザーを持ち歩く、
暗い夜道を一人で歩かない、
危険を感じたらすぐに近くの民家やコンビニ、
店舗などに助けを求める、夜間帰宅する際は、
家族に迎えに来てもらうかタクシーを利用するのも手です。
監視されていると告げられたら?
ドアや窓のカギは、在宅時でもきちんと閉める、
二重ロックにする。
自宅周りに防犯カメラや非常ベル、人感センサーつきライト、
テレビ付きインターホンなどを設置する。
窓に厚手のカーテンを引き、部屋の中が見えないようにする。
ちなみにカーテンの色はピンクや黄色など、
女性らしさを感じされる色は避けましょう。
ベージュやブラウン、グレイなどもおすすめですが、
青(ブルー)は犯罪者を寄せ付けにくい色として
知られています。
なお個人情報がわかるものを捨てる時はシュレッダーをかける
などして細かく処分する。
家に出入りするときは、必ず周囲を確認するなど、
細心の注意を払います。
会って欲しい、付き合って欲しいと要求されたら?
きっぱり断る、曖昧な返事はしない。
交際を断られると、ストーカーは乱暴な行為に
及ぶ傾向があります。
危険を感じたら防犯ブザーなどで周囲に助けを求める、
または警察に通報しましょう。
無言電話やしつこい電話の対処法
電話をかけないで下さいとはっきり言う。
余計な会話はしないこと。
ナンバーディスプレイ表示付きの電話を使う。
相手からの番号は着信拒否設定にしておく。
電話がかかってきた日時や内容をメモしておく。
電話番号やメールアドレスを変える。
電話会社に相談すると、対策を教えてくれます。
SNSなどでは個人情報の取り扱いに注意する。
贈り物や汚物の送付
贈り主不明のものは受け取りを拒否します。
宅配業者が届けに来たら、「受け取り拒否でお願いします」
と言って、返送してもらいましょう。
また受け取ってしまった場合、開封せず警察へ届ける。
贈られた日時や内容などを記録しておく。
汚物を送付されたら、すぐ警察へ届け出ます。
ストーカー行為を受けたら
すぐに最寄りの警察へ相談しましょう。
専用ダイアル#9110へ電話します。
相手へ警察署長から「ストーカー行為をやめなさい」
という警告または禁止命令を出すことができます。
ストーカー行為の被害に遭っている場合は、
相手に対して処罰を求めることができます。
一人で悩まず、警察や信頼できる人に相談しましょう。
なお警察以外にもストーカー被害相談ができる窓口があり、
●犯罪被害者支援ダイヤル(0120-079714)
●法テラスの相談窓口も利用ます。>> 被害内容の利用例(ストーカー)

ストーカー犯罪の事例
2016年5月21日東京都小金井市で発生した、
アイドル活動を行う女子大生(当時)が刺傷した
殺人未遂事件。
記憶に新しい方もいらっしゃるでしょう。
女子大生はファンと称する男のストーカー行為に
悩まされていました。
つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、ネットでの
書き込みで中傷する、贈り物の送付など、
まさにストーカー行為そのもを繰り返していたこの男は、
贈り物を送り返されたことに腹を立て、
「殺すつもりだった」とのちに供述。
事件当日は、小金井市のライブハウスに出演予定の
女性を追いかけて、犯行に及んだものです。
被害女性は自ら110番通報し、駆けつけた警察官に
現行犯逮捕されました。
被害女性とその母親は何度か警察に相談していたものの、
事件を未然に防ぐことはできず、
改めてストーカー犯罪の深刻さと難しさを感じる事件でした。