熱中症は気温が何度くらいになるとなりやすいのでしょうか?熱中症にかかりやすくなる気温の目安は一般的に、28度が多いと言われています。熱中症かな?と思ったら、どうしたらいいのでしょうか?熱中症の初期症状や応急処置の仕方、熱中症にかかったときの治し方、治るまでの回復期間など知っておくと、いざという時役立ちます。
熱中症はどうして起きるの?
熱中症は、周囲の環境や体が暑さに対応できず体温調整がうまくできず、熱がこもってしまうと発症しやすくなります。
気温が高いときはもちろん、湿度が高く、風があまりない環境の中、特に屋外で急に激しい運動や労働などをした場合暑さに体が対応できず、熱中症になりやすくなります。
熱中症になりやすい「環境」と「行動」、そしてその人の「体調」の3つが合わさると、熱中症を起こしやすくなります。
熱中症になりやすい環境
・真夏日(30度以上)や猛暑日(35度以上)
・湿度が高い(70%以上が目安)
・日差しが強い場所
・締め切った屋内(家の中も含めて)
・エアコンのない場所
熱中症になりやすい人や体の状態
・高齢者
・乳幼児
・肥満の方
・寝不足や二日酔いなどで体調不良の場合
・病み上がりで脱水症状の場合
・糖尿病など基礎疾患のある方
・低栄養状態
特に高齢者や乳幼児は体温調節がうまくいかない場合があるため、暑さを感じにくかったり、汗をかきにくかったりして、体内に熱がこもり、熱中症になりやすいと言われています。
屋外でのこんな行動で熱中症に・・・
・炎天下で長時間のスポーツ
・猛暑の中での屋外の作業
・激しく筋肉を使う運動
・慣れない屋外活動
熱中症は気温28度がかかりやすくなる目安
熱中症になりやすくなるのは、「暑さ指数」で気温26度以上になると熱中症になる人が増え始めます。
さらに28度以上になると、熱中症になる人が急激に増えます。
よって「28度以上」が熱中症になりやすい温度の目安となるでしょう。
暑さ指数とは、「湿球黒球温度=WBGT:Wet Bulb Globe Temperature」のことで、1954年に熱中症を予防することを目的としてアメリカで発案されました。 ⇒ 暑さ指数について
ちなみに室内では、28度以上が熱中症になりやすい温度と言われています。
さらに湿度が高いと熱中症になりやすく、
湿度70%以上では「熱中症警戒レベル」の湿度とされています。
こんなサインが出たら熱中症の初期症状
熱中症になると、脳・消化器・筋肉の3つが影響を受けます。
初期症状では、頭痛やめまい、吐き気、だるさなどです。
暑い日にこうした症状があったら、熱中症にかかっていると考えられます。
さらに少し進むと、手足のしびれや立ち眩み、呼吸や脈が速くなるといった症状も出てきます。
もっと進むと、筋肉のこむら返り、歩けない、けいれんなどが見られます。
ここまでいかないうちに、早めに対処しましょう。
熱中症はどうやって治す?
熱中症かなと思われる初期症状が現れたら、我慢してはいけません。
すぐに涼しい場所へ移動し、屋外なら日陰に入りましょう。
応急処置としてまず、全身を冷やします。
特に有効なのが、わきの下や首筋、太ももの付け根など、太い血管が通っている箇所を冷やすことです。
保冷剤などを当てるか、なければ水で濡らしたタオルなどを当てるのも効果的です。
冷やしても、ぐったりしたままで呼びかけにも応じないなどにの場合には、すぐに救急車を呼び、医療機関を受診しましょう。
熱中症はどれくらいで回復するの?
自分で対処できる程度の熱中症であれば、ゆっくり休養と栄養を摂ると、
1日ほどで回復することが大半です。
ただし治ったからと言って、無理は禁物です。
また翌日になってもだるい、食欲がないなどの場合は、医療機関を受診しましょう。
熱中症の時は何を飲むのがいいの?
熱中症には水分補給が大切ですが、水やお茶ではあまり効果がありません。
熱中症対策ではまず「経口補水液」、水分や糖分、ナトリウムをバランスよく含んでいるので、おすすめの飲み物です。
またスポーツドリンクも、糖分やナトリウム(塩分)をはじめとするミネラル分を多く含んでいるので、水分補給にはぴったりです。
意外なのは「冷たい味噌汁」が有効だということです。
水分はもちろん塩分や、味噌に含まれるビタミンやミネラルも補給できるため、ぜひ活用したいものです。
暑い夏、熱い飲み物はあまり飲みたくないという時は冷ましたみそ汁や、水で溶いたインスタントみそ汁もいいですね。
ただし、脱水症状や下痢などをしているときは、スポーツドリンクやみそ汁よりは「経口補水液」の方が良いでしょう。
熱中症対策にNGな飲み物
熱中症対策でNGな飲み物は、コーヒーやお茶などカフェインを含むものです。
カフェインには利用作用があるので、飲むとかえって水分が失われやすくなるため、おすすめできません。
またアルコールも利尿作用があるほか、特に冷たいアルコール類は自律神経を刺激し、さらに体内の水分を失わせます。
アルコールは、水分補給には全く適していません。
また牛乳もNGです。
牛乳は体温を上げる性質があるほか、たくさん飲むと消化不良を起こしやすく、下痢の原因になることも・・・
暑い時や、熱中症対策としての水分補給としては不向きでしょう。
一度熱中症になると再発しやすいって本当?
軽症でも熱中症に一度なると、再発しやすいと言われています。
これは「熱中症になりやすい人」と関係しているようです。
熱中症になりやすい人として、高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方などが挙げられますが、
他にも筋肉の少ない人(循環血液量が少なく、汗をかくと脱水症状を起こしやすい)、
自律神経に働きかける薬を服用している人(高血圧や精神疾患のある方)、
なども熱中症になりやすいとされています。
また初夏の5月ころから、25度以上の夏日になると熱中症になる方が増えますが、
暑さに慣れていない状態だと熱中症になりやすく、これは誰にでも当てはまる条件だと思います。
<参考>熱中症が発生しやすい個人要因
熱中症を予防する方法は?
熱中症はならないがいいに越したことはありません。
熱中症は普段の心がけで、ある程度防ぐことができます。
例えば、
・暑さを避ける(避暑)
・暑さに慣れる(順化)
・暑さに備える
・水分補給
・体力や体調によって高まるリスクを避ける
暑さを避ける
熱中症を予防するには、熱中症になりやすい場所へ行かない、屋外での活動は控える、
熱がこもりやすい服装は避ける、家の中で涼しく過ごすなど、「暑さを避ける」のが第一です。
暑さに慣れる=順化
最近では5月に初夏のころから急に夏日や真夏日になったり、体温越えの酷暑日がきたり、
秋のはじめでも厳しい残暑が続いたり、と暑い期間が長く続くことも多くなりました。
暑さに慣れないうちに、急に暑くなった日に屋外で過ごしたりすると、熱中症になりやすくなります。
体を動かして暑さに備える
暑くなり始めるかな?という時期に、ウォーキングなどをして体を動かすと、
血流量が増加して熱を体外に発散し、汗をうまくかけるようになると言われています。
30分程度のウォーキングを2週間ほど続けると、夏が来る前に体が汗をたくさんかけるようになり、暑さに備えた体作りに役立ちます。
水分補給
ご存じの通り、こまめな水分補給は熱中症対策には欠かせません。
ただし実際脱水症状気味でも、人は意外にのどの渇きを感じないことが多いものです。
水分補給はのどの渇きを感じる前か、屋外など暑い場所へ行く前に行うと効果的です。
個々の体力や体調によって高まるリスクを避ける
体力や体調は年齢や性別、個人個人の体質などによっても異なります。
誰にでも当てはまるリスクとしては、食事を摂っていない、栄養不足の状態だと、熱中症を起こしやすくなります。
また病み上がりだったり、睡眠不足、二日酔いの場合も、熱中症のリスクが高くなります。
高齢者の方は、自分では元気があると思っても、意外に体力が衰えていることも・・・
暑い日の草取りや畑仕事などの屋外作業は、熱中症を招きやすくなるので、避けましょう。
乳幼児は当然、体力的には大人と同じではありません。
暑い日の外出は、小さいお子さんに合わせた無理のないスケジュールでお出かけくださいね。