家計に対する食費の割合を表す【エンゲル係数】、
日本では2024年、28.3%と43年ぶりに高水準に達していることがわかりました。
原因は食品などを中心に物価の上昇が続いていることが挙げられます。
エンゲル係数を少し詳しく
エンゲル係数はご存じの通り、家計の総支出に対する食費の割合で
係数が高いほど生活水準が低いとされています。
ドイツの社会統計学者エンゲルが提唱しています。
計算式は、
「食費 ÷ 消費支出 × 100」で、家計における食費の割合を示す
指標としてよく知られています。
日本のエンゲル係数の推移
日本のエンゲル係数は1945年の終戦直後は60%を超えていました。
1960年代の高度経済成長期には生活水準の向上とともに低下し、
30%台前半でした。
1980年には約29%、1989年には約25.3%まで緩やかに低下しています。
2000年には約23%、2005年頃には22.7%まで下がりましたが、
それ以降は緩やかに上昇傾向を続け、2016年は約25.8%に上がり、
その後も上昇、2024年は28.3%となっています。
エンゲル係数が高くなる理由
エンゲル係数も時代の流れによって上がったり下がったりするもの
だと思いますが、
それにしても2020年代の今、43年ぶりの高水準というのは驚きです。
エンゲル係数が上がる原因として、
物価の上昇
家計構造の変化
消費行動の変化
などが挙げられます。
物価の上昇
2020年~数年間、新型コロナウイルスが世界中で蔓延し
経済活動全般が一時的に停滞しました。
その後コロナ明けで世界的な需要の急増と供給不足から需給バランスが崩れ、
資源や資材などの価格が上昇し、その分価格に転嫁され物価が上昇しています。
物価の上昇はひところは落ち着いたようにも見えましたが、
2025年に入っても食品を中心に、物価は緩やかに上がり続けています。
円安の影響
輸入大国でもある日本ですが、原料や資材、燃料などいろいろな物資を輸入に
頼っています。
2022年には1ドル150円を超えるなど急激な円安になることもあり、
輸入価格を押し上げる要因になっています。
物流費の上昇
石油などのエネルギー価格が上がると、当然ガソリン料金にも影響が出ます。
ガソリン価格は2022年~23年ごろは175円/1Lで、
その後上がったり少し下がったりを繰り返し、2025年は185円/1Lで推移しています。
政府のガソリン補助金が2022年から出されるようになりましたが、
1990年代後半のレギュラーガソリン価格1リットル98円や99円の頃に比べたら、
大きな隔たりがあります。
ガソリン価格の高騰により、物流費も上がっています。
人件費の上昇
今どの業界も深刻な人出不足にあります。
働く人を呼び込むため時給を上げるなどの対策を行っており、
人件費の上昇につながっています。
家計構造の変化
少子高齢化で高齢者世帯が増えています。
高齢者は年金の支給などで主に生活費を賄っており、
すでにリタイアしているため収入が増えることはあまりなさそうです。
すると物価の上昇で食費の割合が高くなり、エンゲル係数に影響します。
節約の難しさ
物価が今ほど高くなかった頃は、食費の節約もしやすかったかもしれません。
しかしこうして毎年のように食品値上げが続くと、節約自体が難しくなります。
食料品は生活必需品であり、そう簡単に削ることはできないからです。
日本全国のエンゲル係数
総務省の「家計調査」を元に共同通信が分析した調査で、
2020年~24年までの5年間のエンゲル係数を平均化したところ、
全国の都道府県庁所在地の37都市で最高値を更新していることが
わかっています。
47都市でトップは大阪市の31・2%、
最も低かったのは水戸市の24・9%でした。
全国平均は27・5%です。
新潟県のエンゲル係数は?
新潟県のエンゲル係数は大幅に高くなって過去最大に!
24年前には22%だったところ、29%にアップしました。
米価格高騰のため乳製品やパンなどへの支出が増え、コメ離れが進んでいます。
エンゲル係数を下げるには?
食費をあまり削りすぎると健康にも良くありません。
かといって「かかるものは仕方ない」と割り切るにしても、
最近の物価上昇は本当に頭が痛い問題です(泣)
エンゲル係数を下げる(食費を減らす)には、
●外食や中食を減らす。
●自炊をがんばる。
●手作りできるものは自分で作る。
●飲み物はお茶などマイボトルで持参。
などがあります。
給与は上がらないのに物価は上がる…
新潟県の最低賃金は2025年、初の1000円台に乗せ1050円に上がります。
そのためパートやアルバイトの時給は上がるものの、
上げ幅はそれほど期待できないでしょう。
実質大幅な賃上げがないと、物価上昇に追い付きません。
給与がなかなか上がらない原因はいろいろありますが、
中小・零細企業が多い新潟県では、企業の賃上げ余力が少ないとされています。
企業側も原材料価格の高騰に対処するのが精いっぱいの現状が続いています。



