大雨や地震、津波などの災害が増える中、防災士の資格が注目を集めています。
防災士の資格取得方法や難易度、費用などについて調べました。
小学生や中学生、高校生も挑戦する人が急増中、自然災害が多い今必要とされるおすすめの
資格です。
防災士の資格は国家資格なの?
防災士の資格は国家資格ではなく、日本防災士機構が認定する「民間資格」です。
防災士は災害が起きた時、初期消火に始まり避難誘導や避難所開設などの作業を、
地域住民や職場の人々と協力して行います。
また日ごろの防災訓練や、万が一起こりうる災害への備えも行います。
防災士は災害時に陣頭指揮を執り、リーダーシップを発揮する役目を
担う人材です。
防災士は平時、住宅の耐震性確認から、備蓄品の用意、安否確認のやり方、
避難上や避難経路の確認、側溝や排水溝の清掃、土嚢の準備など、
災害時の被害を軽減するために事前にできることを行い、いざという時に
備えます。
これらも防災士の大切な仕事の一部です。
防災士の資格を取るメリット
防災士の資格を取ることでまず第一に、災害に遭った時どのように対処するか、
自分や家族をどのようにして守るかなどのスキルが身につきます。
また防災に関する知識や技能を使い、同時に地域を守るという意味でも貢献できる
ことはあるはずです。
住民の方々も、地域に防災士がいることで安心感が得られることでしょう。
年齢や性別の制限はあるの?
防災士の資格を取るのに、年齢や性別、学歴などの制限はありません。
防災士の資格は、研修や試験の内容、救命救急講習の受講などから見て、
中学生以上を想定していますが、過去には7歳の少年が最年少で防災士の
資格を取得しています。
新潟県内では小4が防災士を取得
新潟県内では、新発田市内の小学校に通う小学4年生の女子児童が防災士の資格を取得し、
今現在では県内最年少の防災士となっています。
試験まで2か月足らずで挑戦し、繰り返し問題を解いて勉強したそうです。

若い方の防災士有資格者、頼もしいですね^^
資格に有効期限はあるの?
防災士の資格は一度取ったら、有効期限はありません。
何年おきに更新などの手続きも不要です。
防災士の資格の取り方
防災士の資格を取るには、
・防災士養成研修講座を受ける。
・筆記試験を受ける。
・救命救急講習を受ける。
の3つが必要です。
防災士養成研修講座とは?
日本防災士機構が実施する「防災士養成研修講座」では、
防災や災害の専門家を講師に招き、集合研修を行います。
研修科目は最低でも12講座の受講が必要で、2日間かかります。
終了後、履修証明を取得します。

防災研修のイメージ。
研修内容は多岐に渡り、災害が起こる仕組みから災害対策、自助、
共助、防災士の制度までいろいろな側面から学習します。
新潟県の防災士養成研修機関では、新潟医療福祉大学(新潟市北区)
があります。
筆記試験の難易度
防災士資格の筆記試験は、全30問中24問(8割以上)が合格ラインです。
しっかり研修で勉強すれば、合格できるでしょう。
2023年の合格率は92%と高い数字でした。
救命救急講習の受講場所は?
救命救急講習は、各自治体や消防署、日本赤十字社などが開催しており、
いずれかの場所で受講し、修了証をもらえばOKです。

救命救急講習のイメージ。
資格取得にかかる費用
防災士の資格取得にかかる費用は、トータルで63,800円です。
内訳は以下の通りです。
研修受講料 | 50,728円(消費税が別途5,072円) |
試験の受験料 | 3,000円 |
認証登録料 | 5,000円 |
合計 | 63,800円 |
最短で2日で資格を取ることもできる防災士ですが、費用はかなり掛かりますね。
自治体で費用の助成を行っている
新潟県内では、新潟市や佐渡市、上越市、粟島浦村などで、防災士資格取得費用の
助成を行っています。
個人で防災士の資格を取りたいと思ったとき、お住まいの地域で助成制度があるかどうか
調べてみましょう。
聖籠町でも費用助成スタート
聖籠町では、防災士資格取得の費用を全額助成する制度が、2024年度から始まりました。
・養成研修講座受講料
・テキスト代
・試験受験料
・認定登録料
全て町が負担してくれます。
救命救急講習は、近くの消防署で約3時間受講し、費用は掛かりません。
担当部署:聖籠町生活環境課
女性防災士の必要性
災害が起きると女性を取り巻く環境では、様々な問題が発生します。
よって、女性防災士の必要性が叫ばれています。
災害時の避難所ではプライバシーが守られにくい環境下であることから、
トイレや着替え、生理用品の配布などについてはもちろん、
時には性犯罪などの懸念もあります。

避難所生活では女性目線が求められることも。
男性防災士が多い場合、避難所運営は女性目線がどうしても不足しがちです。
よって望まれるのは、女性防災士が増えることです。
各自治体の災害担当部署では、女性職員自体が極めて少なく、
これが女性防災士が増えない原因の一つとされています。
2022年の調査では、全国の自治体で女性の防災担当職員が全くいない「0」
の自治体は、全体の61.9%にも上ります。
女性へのこんな配慮が欲しい!避難所生活でのポイント
そもそも災害時の避難所生活では、老若男女問わず体育館などの同一スペースで
雑魚寝というスタイルが昔から続いています。
確かに非常時ですので、ある程度のことは我慢しなければならないでしょう。
ただ避難生活が長くなるにつれ、女性特有の悩みや困りごとは深刻になっていきます。
女性たちが声を上げても、男性防災士ばかりだとなかなか要望が伝わりにくい
という声を聞くことがあります。

避難所では着替え場所に苦労することも。
例えば、
・トイレや着替えをする場所は、男女別にする。
・授乳する女性専用のスペースを設ける。
・子ども用スペースを設ける。
・下着や生理用品など女性特有の物資の配布は女性が行う。
こうした配慮は、女性防災士がいてこそ実現しやすいのではないかと思います。
女性防災士を増やすには
女性防災士を増やすにはまず、各自治体には防災担当の女性職員を
配置してほしいと思います。
まず防災士という資格自体、まだまだ認知度が高いとは言えないでしょう。
そして防災士は「男女問わず取得できる資格」であることは、
まだあまりよく知られていないと思います。
各自治体は防災士の数を増やすのはもちろん、女性防災士の養成に力を入れて
ほしいと思います。