数検=数学検定を中学生のうちから受けるメリットは、
数学の基礎学力を養うだけではありません。
高校入試や大学入試で有利に働くほか、
長い目で見てメリットが大きいことを
ご存じでしょうか?
数学検定とはどんな検定?
数学検定は、公益財団法人日本数学検定協会が実施する
検定で、正式には「実用数学技能検定」と呼ばれています。
文部科学省が後援しており、レベルは1級から11級まで、
数学領域である1級から5級までが「数学検定」、
算数領域である6級から11級と、かず・かたち検定までを
「算数検定」と呼んでいます。
計算・作図・表現・測定・整理・統計・証明などの分野
から出題され、記述式で解答します。
全国レベルで自分の数学の実力を絶対評価で測ることが
できるのが大きな特長です。
なお1~5級は、1次試験の計算技能検定と
2次の数理技能検定試験で構成されています。
受検資格は?
数学検定は受験資格は不問です。
中学生ですと数学領域に当たる1級~5級が
標準的かもしれませんが、
何級から受験してかまいません。
1回合格しても、何度も同じ級を再受験できるほか、
同じ級を再受験して不合格になった場合でも、
一度合格したら合格を取り消されることはありません。
各級の試験内容や合格基準
数学検定で数学領域に当たる1級~5級までについて、
試験の内容など概要を見ていきます。
1級
数学検定で最高レベルの級が1級です。
大学レベルが受験の目安で、2次試験まであります。
出題数 | 合格基準 | 検定時間 | |
一次試験 | 7問 | 全体の7割 | 60分 |
二次試験 | 2題必須・5題より2題選択 | 全体の6割 | 120分 |
準1級
準1級は高校3年程度で、数学Ⅲ・Cを学習
している方向けです。
数学Ⅲ・C程度というと、高校では普通科の理系
または理数科の生徒が履修します。
出題数や合格基準、検定時間は1級と同じです。
出題数 | 合格基準 | 検定時間 | |
一次試験 | 7問 | 全体の7割 | 60分 |
二次試験 | 2題必須・5題より2題選択 | 全体の6割 | 120分 |
2級
2級は高校2年程度で、数学Ⅱ・Bを学習した方向けです。
理系はもちろん、文系でも数学Ⅱ・Bを学習します。
1級・準1級より問題数が増えますが、試験時間は短くなります。
出題数 | 合格基準 | 検定時間 | |
一次試験 | 15問 | 全体の7割 | 50分 |
二次試験 | 2題必須・5題より 3題選択 |
全体の6割 | 90分 |
準2級
準2級は高校1年で、数学Ⅰ・A程度を
学習したレベルです。
中学3年生でも高校1年の数学の学習範囲を
先取りして学べば、受検が可能です。
出題数 | 合格基準 | 検定時間 | |
一次試験 | 15問 | 全体の7割 | 50分 |
二次試験 | 10問 | 全体の6割 | 90分 |
3級
3級は中学3年生程度の数学の力があれば、
充分対応できるでしょう。
出題数 | 合格基準 | 検定時間 | |
一次試験 | 30問 | 全体の7割 | 50分 |
二次試験 | 20問 | 全体の6割 | 60分 |
4級
4級は中学2年生程度です。
1年生でも2年生の学習範囲を学んでいれば
4級を受けても構いませんし、
3年生でも実力確認のためにあえて受けても
まったくOKです。
出題数 | 合格基準 | 検定時間 | |
一次試験 | 30問 | 全体の7割 | 50分 |
二次試験 | 20問 | 全体の6割 | 60分 |
5級
5級は中学1年生程度です。
中学1年生はもちろん、2年生3年生でも
中学で学んだ数学の基礎を確認したい場合にも
おすすめです。
出題数 | 合格基準 | 検定時間 | |
一次試験 | 30問 | 全体の7割 | 50分 |
二次試験 | 20問 | 全体の6割 | 60分 |
3級・4級・5級は、出題数、合格基準、検定時間がすべて同じです。
問題集は何を使えばいい?
数学検定の勉強をするうえで、おすすめなのが
やはり「過去問題集」です。
日本数学検定協会から出ている「過去問」で
勉強するのが合格への近道です。
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検定料はいくら?
1級から5級まで、「個人受検」と「団体受検」
の2通りの受験スタイルがあります。
*ただし1級は個人受検のみ。
個人受検の場合
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 |
8,500円(A日程のみ実施) | 7,300円 | 6,500円 | 5,600円 | 4,900円 | 4,300円 | 4,300円 |
*A日程とは、年3回全国の主要都市で行われる
検定日程のことです。
団体受検の場合
団体受検は、数検の「実施校」としてあらかじめ
日本数学検定協会に登録した学校で行われます。
検定料が個人受検に比べ格安なのが魅力ですし、
同じ学校やクラスで友達同士誘い合って受験できる、
所定の受験会場への移動がない、
などのメリットがあります。
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 |
実施無し | 6,400円 | 5,600円 | 4,800円 | 4,300円 | 3,800円 | 3,800円 |
受検料の一部補助が出る自治体がある
聖籠町では申請すれば、数学検定の受験料の
一部が補助される制度があります。
●検定料の1/2を補助。
●生徒一人につき同一年度で1回限り。
●担当部署は「未来教育課」
詳しくは >> こちら
受検するときの注意
数学検定を受験する際、いくつかの注意事項があります。
受検票や持ち物などについてご紹介します。
受検票は写真貼付
個人受検の場合は、受検票に顔写真の貼付が必須です。
数学検定に申し込むと、協会から電子ファイルまたは郵送で
受検票が届きます。
受検当日までに規定のサイズ(たて3cm×よこ2.4cm)の
顔写真を貼り付けて当日持参します。
なお団体受検の場合、受験票は発行されません。
持ち物に制限がある
数検を受験する場合、必須の持ち物は
●鉛筆(黒、HB・B・2B)
●またはシャープペンシル(黒)
●消しゴム
等の筆記用具です。
1~5級の2次試験(数理技能検定)では、
電卓の持ち込みが可能です。
なお定規・コンパス・分度器は
1次か2次かによって持ち込み不可の場合があるため、
注意が必要です。
日本数学検定協会HP >> 数学検定概要
を参考にして記事を書いています。
数検を受けるメリット
数学検定は英検(英語検定)や漢検(漢字検定)に比べ、
今ひとつマイナーなイメージがあるかもしれませんが、
中学生時代から受験しておくと、
様々なメリットがあるため、おすすめの検定の一つです。
高校入試に有利
新潟県内では、高校入試に数検を活用している学校があります。
学校名 | 階級 | 活用内容 |
新発田中央高校普通科 | 3級以上 | 推薦入試で出願要件の1つとする。 |
帝京長岡高校 | 3級以上 | 一般入試、推薦入試において優遇。 |
新潟清心女子高校 | 3級以上 | 推薦入試で出願基準の一つとする。 |
いずれも私立高校です。
新潟県内の公立高校では数検の各階級保持が
内申点に加算されるなどの措置は行われていません。
大学入試に有利
数検は大学入試でも威力を発揮します。
特に推薦入試やAO入試では有利に働きます。
最低2級以上を保持している必要があります。
全国500以上の大学や短大、専門学校で
数検を活用している学校がありますので、
自分の志望校が数検の活用を行っているか、
募集要項などで確認しましょう。
就活でアピールできる
数検は就職活動では必須の資格ではありませんが、
数学の高い基礎学力を持っていることをアピール
できます。
いわゆる数検に加え、文系の方は「ビジネス数検(ビジ数)」
を持っていると、数学に強い文系学生であることを証明できます。
また企業が採用応募者の適性を把握するために行われる
「SPI試験」では、数検の準2級で74%、3級で53%の
出題範囲が被っているため、数検の勉強イコールSPI試験対策に
つながるとされています。
数学の高い基礎学力をつけるなら数検
数検を持っていると「数学に強い」「数学が得意」
というイメージを持たれるのは容易に想像できます。
また高校入学後、大学進学を希望する人は
2年生以降は文系理系に分かれ、大学受験に必要な科目を
学習していきます。
最近は理系はもちろん、文系でも大学入試に数学や理科が
課され、苦手だからと言って避けることは難しい状況です。
(国公立大学志望で共通テストを受験する場合)
また実社会では、文系でも数学ができる人が大変求められて
います。
理系の場合は「デジタルサイエンス」や「量子力学」など、
これまでになかった新しい理系の分野の学問にも対応して
いかなければなりません。
社会のデジタル化が進み各企業がDX化を推進する中で、
文理併せてさらなる数学的素養が必要になっているのです。
まとめ
中学時代から数学を意識的に勉強しておくと、
高校や大学で数学に苦労することが少なくなります。
中学数学の基礎学力をしっかり付けると、
高校や大学の進路選択の幅が広がるほか、
将来活躍できるフィールドがぐんと広がります。
学年より下の階級からでも構わないので、
ぜひ臆せず数検にチャレンジしてみてくださいね!