2025年2月には強烈寒波が2回も襲来し、
新潟県をはじめとする日本海側の各地で
大雪と低温をもたらしました。
しかも1週間にもわたる長期寒波となり、
もううんざり…
寒波と大雪が去った後、心配なことがあります。
それは災害と農作物の不作、高騰です。
1回目の寒波で新潟市中央区で50センチの積雪
1回目の寒波は、2025年2月4日頃から9日頃
まで続きました。
2月7日(金)には新潟市中央区で、午後5時から
8時までの3時間で26センチの積雪を観測。
「顕著な大雪に関する気象情報」が、
気象庁より発表されました。
他県の方は
「新潟県内はどこも冬になると
1メートルくらい雪が積もる」
と思われるかもしれませんが
実はそうではなく、積雪が少ない地域も
あります。
その一つが新潟市で、新潟県内でも比較的
積雪量が少ない地域です。
他にも佐渡地方も比較的積雪が少ない地域
とされています。

聖籠町も比較的積雪量が少ない地域に入るかもしれません。
その新潟市で3時間で26cmも雪が積もった!!
これはまさしく「顕著な大雪」です。
その後トータルで新潟市は約50センチの
積雪を記録しています。

顕著な大雪に関する気象情報とは?
最近よく耳にする
「顕著な大雪に関する気象情報」。
これは短時間で大雪となり、大規模な交通障害や
重大な災害は起こる可能性が高まった時
気象庁が発表するものです。
具体的な目安としては、
3時間に20~25センチの降雪、
または6時間に30~40センチの降雪
を観測した場合対象となります。
聖籠町ではどれくらい雪が降ったの?
同じ日、聖籠町もかなりの積雪がありました。
詳しい数字はわからないのですが、
新潟市中央区と同じくらい、もしくは少し多い
かもしれません。
私の目測では30センチくらいだと思います。
ちなみに聖籠町の2月の平年の積雪量は23cm
くらいです。


30センチ定規より多い積雪量!?
家の敷地の積雪量を、30センチ定規で
測ってみました。
部分的ですが、30センチ以上ありました。
新潟市で雪があまり積もらない理由
新潟市中央区は海岸部に近く、
しかも向かいには佐渡島があります。
この佐渡島が雪雲をブロックすると
新潟市まで雪雲が届きにくくなります。
これは「佐渡ブロック」と呼ばれる現象で、
新潟市中心部など海岸沿いの地域、
佐渡地域に積雪が少なくなる理由です。
阿賀町や長岡市で災害救助法適用
1回目の強烈寒波では、阿賀町や長岡市で
災害救助法が適用されました。
2月7日の24時間降雪量は、
新潟市中央区 | 41cm |
新潟市秋葉区 | 39cm |
阿賀町 | 48cm |
魚沼市(旧守門村) | 35cm |
を観測しています。
特に阿賀町の県境集落では、
所により積雪量が3メートルにも
上りました。


阿賀町で3メートルの積雪は、今まで聞いたことがないです。
新潟日報 2025年(令和7年)2月8日(土)朝刊記事を参考にしました。
2回目の強烈寒波は中越地域を直撃
1か月に2回も強烈寒波がやって来るとは…
2回目の寒波は1回目よりさらに長く、
厳しいもので、長岡市を中心に中越地域を
直撃しました。
2月22日、長岡市では午前10時までの6時間で
降雪量が32センチとなりました。
他にも魚沼市(旧守門村)では22日午後2時
までに積雪量がなんと!
368cmに達し、10年ぶりに350センチを
超えています。
長岡市などでは、25日から行われる
国立大学前期日程試験を控えているにも
かかわらず、雪がやむ様子が一向に見えず、
前日の24日まで影響が心配されます。
新潟日報・2月22日朝刊社会面記事を参考にしています。
長岡地域は2月に大雪になりやすいって本当?
長岡市は昨年2月も大雪に見舞われています。
今年の積雪は、昨年2月の積雪とほぼ同じ量です。
なぜ、長岡地域では2月に大雪になりやすいのか?
それは、「
冬特有の北西季節風が日本海から
水分を蒸発させて、日本列島中央の標高の高い
山々の峰にぶつかって雪雲ができる」
ことが原因です。


地理的に雪が降りやすい場所なのですね。
ガーラ湯沢スキー場が大雪で営業休止!?
何とも皮肉なことです。
ガーラ湯沢スキー場が、あまりの大雪で
営業休止を余儀なくされました。
ゲレンデの積雪がリフトの高さまで届きそうな
くらいの大雪で、
「お客様の安全を確保するため」に休業を決めた
そうです。


大雪でスキー場休業、これも聞いたことがありません…
2回目の寒波で災害救助法適用地域が拡大
2回目の寒波でさらに大雪となり積雪量が
増加、
新潟県内の災害救助法適用地域は、
魚沼市をはじめ、南魚沼市、長岡市、
十日町市、妙高市、上越市、津南町、
阿賀町と拡大しました。
災害救助法の適用で、
市町村が行った屋根の雪の除雪費用
などは県や国が負担することになります。
莫大な除雪費用、一市町村だけでは
あまりにも負担が大きすぎます…
大雪で今後心配される災害
大雪をもたらした寒波が過ぎ去っても、
一安心とはいかないかもしれません。
大雪の後、心配されることがいくつかあります。
雪崩や雪の重みによる家屋の倒壊などに加え、
いろいろな影響が心配されます。
全層雪崩の危険
寒気が去った後、今度は暖気がやってきます。
雪から雨に変わると、雪解けが進みやすくなり、
「全層雪崩」の危険性があります。
全層雪崩は積雪全体が崩れる現象で、
気温が上昇する春先に起きることが
多くなっています。
全層雪崩の怖いところは、そのスピードです。
その速さは時速40~80kmともいわれ、
まさに自動車が突進してくるようなものです。
全層雪崩が起きる前兆は、
●山の斜面の雪面に「雪しわ」
と呼ばれる雪のたるみができる。
●山の斜面の雪面に亀裂が入る。
●雪の塊が落ちてくる。
ちなみに全層雪崩に対し「表層雪崩」
という言葉もよく耳にしますが、
これは積雪の雪面に近い部分が崩れてくる
もので、こちらも大変スピードが速く、
しかも雪が塊になって崩れてくるため、
破壊力がすさまじいとされています。
雪の重みによる建物の倒壊
雪が降り積もって時間が経つと
徐々に水気を含んで、
どんどん重くなります。
雪の重さは雪の状態や地域などによって
異なりますが、
1立方メートルの新雪が積もると
重さは約50kg以上、
水気を含み氷の塊になったような雪の
重さは約150kg以上と言われています。
古い家屋などは屋根の雪下ろしをせず
放置しておくと当然、
倒壊する可能性が高まります。
実際、今回の寒波でもたらされた大雪のため、
新潟県内のあちこちで建物の倒壊が
発生しています。
洪水の危険
大雪は洪水も引き起こしことがあります。
降雪の後暖気が入り雨に変わったり、
気温の上昇で融雪が進むと河川の水位が上がり、
洪水が起こりやすくなります。
また前述の「全層雪崩」も洪水の一因となります。
土砂災害
雪解け水が山の土壌に浸み込むと、
大雨の時と同じように地面が緩み、
土砂災害の危険性が高まります。
地割れが見られる、
山で木がバリバリと裂けるような音がする、
山の斜面で落石が起きたら、
土砂災害の前触れかもしれません。
大雪で米など農作物の生育は大丈夫?
大雪で積雪量が多く、低温の日が続くと
春になっても雪消えが進まない可能性があります。
雪が消えないと5月のGWの田植えシーズンに
田植えができず、稲の生育に影響があるかも
しれません。
米不足や高値が続くかもしれない
新潟県では2024年からの続く米不足解消のため、
2025年は米の増産に踏み切ります。
ただ気候が安定しない、消雪が遅い、
また夏の猛暑予想なども考えられるため、
米不足解消にはやや不安が残ります。
米の値段も高止まりまたは
さらに高くなるかもしれません。
雪下野菜の収穫ができず野菜が高くなる?
雪の下ではキャベツやニンジンなどの
いわゆる「雪下野菜」(ゆきしたやさい)が
育っています。
雪下野菜は甘いことで知られていますが、
これは野菜自身が凍結を防ぐため、
細胞内のでんぷんを「糖」に変えるためです。
雪下野菜が収穫できないのは新潟県に限らず、
今回の寒波で積雪があった地域すべてに当てはまる
ことで、南は九州までその範囲は広がっています。
冬ならではの雪下野菜が味わえないほか、
野菜の価格も上昇または高騰する可能性が
あります。
まとめ
新潟県はもちろん、雪が多く降る地域に
暮らしていると改めて、
自然環境の厳しさを感じます。
大雪になっているときは交通障害など、
普段の生活に直結する様々な困りごとが
ありますが、
寒波が去った後もその影響は、
多方面で長引きそうです。
ここ数年の災害を伴うような
激しい気候の変化は、
地球温暖化や気候変動などと
呼ばれています。
人間の手には負えないようなこと
なのかもしれませんが、
それにしても今も昔も、
人間が天候に振り回されるのは
あまり変わっていないような気がします。