2024年12月1で現在の紙の保険証が廃止・新規発行停止され、
新たにマイナ保険証に切り替わりますが、
マイナ保険証を持っていなくても、紙の保険証は1年間有効ですので、
今まで通り病院を受診することはできます。
マイナ保険証はどうやって作るの?
マイナ保険証はマイナンバーカードに保険証機能が付いたものです。
マイナカードと保険証を紐づけするには、
1.マイナカードを作る。
2.保険証の利用登録する。
⇒ 利用登録するには、
・顔認証付きカードリーダーで登録
・マイナポータルで登録
・セブン銀行ATMで登録
の3つの方法があります。
利用登録するのは初回のみです。
どうやって使うの?
マイナ保険証は、医療機関の窓口で顔認証付きカードリーダーにかざして
保険加入情報を読み取りさせます。
現行の紙の保険証は月1回窓口に提示すればOKでしたが、
マイナ保険証は病院へ行くたびに認証が必要です。
慣れるまで時間がかかりそうですね。
マイナ保険証の利用率が低いって本当?
マイナ保険証の利用率は低く、2024年9月の時点で13.87%です。
国民だけでなく、医療機関や調剤薬局でも対応が進んでいないところが多く存在しています。
利用率が低い理由として、
・システムや機器が不具合を起こしたとき使えない。
・高齢者にとって操作が難しい。
・情報漏洩などを気にする人が多い。
などが挙げられます。
マイナ保険証を作らないとどうなる?
マイナ保険証を作らなくても、病院にかかることはできます。
2024年12月2日以降、マイナ保険証を持っていない人へ
【資格確認書】というカード型の書類が届きます。
国民健康保険、厚生年金保険に関わらず、特に請求しなくても
自治体や健康保険組合から発送されてきます。
有効期限は5年間で、更新も可能です。
「資格情報」と「資格確認書」の違い
自治体から「資格情報のお知らせ」という似たような名称の書類が届く場合があります。
「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証が病院など医療機関で読み取りできない時に使うもので、
「資格確認書」とは異なります。
「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証とセットで使うものです。
現行の紙の保険証はいつまで使えるの?
現行の紙の保険証は、最長で1年間は使うことができます。
有効期限は2025年12月1日までです。
今後は新たに紙の保険証は発行されなくなります。
マイナ保険証を作りたくない
マイナンバーカードの取得やマイナ保険証の登録は、義務や強制ではなく「任意」です。
作りたくない人は無理に作らなくても、上記の「資格確認書」があれば、
従来通り医療機関の受診は可能です。
「資格確認書」は5年の有効期間を過ぎたら、更新手続きもできます。
マイナ保険証のメリットは?
マイナ保険証のメリットを、厚生労働省のHPからご紹介します。
1.患者本人がより良い医療を受けられる。
2.高額療養費の限度額を超える支払いが手続きなしでできる。
3.確定申告時に医療費の控除が簡単にできる。
4.医療現場の負担を軽減
一つずつ見ていきます。
患者本人がより良い医療を受けられる
今までは、過去にもらった薬や特定健診の情報など自分の受診情報を
その都度医師や薬剤師に説明する必要がありました。
マイナ保険証を利用し、患者さん本人が情報提供に同意することで、
医師や薬剤師にいちいち自分の医療情報を説明する手間が省けるようになります。
そのため受診がスムーズに行われ、よりよい医療が受けられることにつながります。
高齢者でよくお医者さんにかかる方にとっては、
特に便利なポイントだと思います。
高額療養費の限度額を超える支払いが手続きなしでできる
高額療養費制度とは、
医療機関や薬局の窓口で支払った金額が、ひと月(月の初めから終わりまで)で
上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
*ただし、入院時の食費負担や差額ベッド代等は高額療養費制度での自己負担限度額
の対象に含まれません。
これまでは超過分の金額を受給するために、医療機関や薬局の窓口で一度全額を支払った後に、
支給申請書を提出しなければなりませんでした。
事前に「限度額適用認定証」を申請すると、窓口負担を上限額に抑えることはできますが、
申請が間に合わなかった場合は、高額費用をいったん仮に自己負担することになります。
後でお金が戻って来るとはいえ、
一時的でも高額な医療費負担はきついですね。
この点を改善するのがマイナ保険証です。
マイナ保険証を利用すれば、「限度額適用認定証」がなくても、
公的医療保険が適用される診療に対しては、限度額を超える分の支払いは不要です。
確定申告時の医療費控除が簡単になる
確定申告で医療費控除を受けるには、
1年分の医療費に関する領収書を保管して、明細書を作成しなければなりません。
これって、結構手間がかかって面倒ですよね。
マイナ保険証があると、マイナポータルで医療費に関する自分の情報を管理することができます。
さらに確定申告する前にe-タックスと連携しておくと、
データの自動入力ができます。
マイナポータルとe-タックスの連携について ⇒ こちら
医療現場の負担を軽減
病院や薬局へ行くと、健診の情報を聞かれたりお薬手帳の提示や問診などがあって、
結構煩わしく感じられることも。
マイナ保険証を使うと、患者本人の受診情報が医師や薬剤師側へスムーズに伝わりますし、
受付でも顔認証カードリーダーに読み込ませることで、確認作業などの事務負担が軽減されるほか、
業務の効率化にもつながります。
出典:マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット‐厚生労働省HP
医療費が少し安くなる
マイナ保険証を使うと、初診時と再診時の医療費が少しだけ安くなります。
紙の保険証では初診時はプラス30円、再診料はプラス20円かかるところを
マイナ保険証では初診・再診ともにプラス10円です。
マイナ保険証のデメリット
マイナ保険証にはメリットも多くある反面、デメリットも指摘されています。
メリットデメリットそれぞれどのようにとらえるかは、
個人の考え方にもよるでしょう。
マイナカードの有効期限切れで使えなくなる
マイナカードには有効期限があります。
(通常は10年、未成年者は5年)
マイナカードの有効期限が切れると、マイナ保険証は使えなくなります。
有効期限が近づいてくると「更新期限のお知らせ」が届きますが、
運転免許証のように更新手続きをしないと期限切れになってしまうので、
注意が必要です。
なおマイナカードにはICチップが埋め込まれ、有効期限5年間の「電子証明書」の機能が
ついています。
マイナカードの有効期限前でもこの「電子証明書」の有効期限が切れていると、
マイナカードは使えなくなるという仕組みになっています。
マイナカードをなくすと使えなくなる
マイナカードをなくした場合、マイナンバーカード総合窓口へ連絡し
利用停止の申請をする必要があります。
マイナンバーカード総合窓口:0120-95-0178
*24時間365日受付ています。
利用停止の連絡をしたら、お住まいの自治体でマイナカードの再発行を依頼します。
再発行されるまでの間、マイナ保険証は使えません。
再発行にかかる時間はこれまで1~2か月だったのが、
2024年12月以降は最短で5日程度と大幅短縮されます。
1週間くらい見ておけばいいかもしれませんね。
公的負担医療制度を利用する際は受給者証の提示を
未就学児~小中学生のお子さんが対象の「子ども医療費助成」や
「ひとり親医療費助成」など公的負担医療制度を利用する場合は、
マイナ保険証との紐づけはされないため、窓口で受給者証の提示が必要です。
紛失などで情報漏洩の心配
マイナ保険証は顔写真付きで、埋め込まれたICチップには個人情報が記録されているので、
万が一紛失した場合には、情報漏洩の心配があります。
失くした場合は、上記のマイナカード総合窓口へ速やかに連絡しましょう。
出典:
マイナ保険証はデメリットしかない?基本的な仕組みや義務化の詳細、利用方法を解説
まとめ
マイナ保険証はメリットデメリットどちらもあります。
どの点をどのようにとらえるかは、個人の考え方によるところかもしれません。
ただマイナ保険証の利用率がいまだに10%台と低調なのは、
マイナカードの情報紐づけで誤登録が相次いだことが原因とみられています。
やはり「まだあまり信用できない」と思う人が多いことの表れでしょう。
マイナカードやマイナ保険証の取得は強制ではなく、
紙の保険証が廃止されても病院を受診する方法はあるため、
今後の動きを見ながら慎重に検討するのも良いでしょう。