2024年は全国的にクマが出没するペースが、過去最高と報じられています。
4月から7月までの春から夏にかけての出没件数は、昨年同時期を上回るハイペースです。
また従来では考えられない都市部での熊の目撃情報もあり、エサ不足以外にも原因があるようです。
都市部にまでクマが出没!なぜ?
クマが出没するのは、ブナなどのエサが凶作で不足するからと言われていますが、
ここ数年ではエサ不足だけが原因ではなくなっています。
例えば、
気候変動による環境の急変
高齢化に伴う過疎化や離農、廃村
開発による生息地の縮小
従来クマの目撃情報がほとんどなかった都市周辺部では、20%も「クマがいるのを見た」
という情報が増えています。
神奈川県伊勢原市の霊園では、クマの目撃情報が寄せられました。
「こんなところにまでクマが…」と地元では驚きの声が。
聖籠町でも過去に、クマの目撃情報が出たことがありました。
2024年クマが最も出没している県は?
2024年クマの出没件数が多いのは、
岩手県(1993件)
京都府(839件)
島根県(746件)
人的被害は、
秋田県の9件、岩手県と長野県がそれぞれ8件発生しています。
なお青森と岩手では各1名の方がなくなっています。
*北海道は非公表。
*九州と沖縄にはクマが生息していないため、調査委対象外。
参考:>>クマ類の出没情報について【速報値】ー環境省HPより
子熊の出没が多い?
昨年2023年は北海道内のヒグマと本州のツキノワグマを合わせて、クマの捕獲数は9253頭です。
これは統計(1923年)が残る中で最多の数字です。
親グマが大量に捕獲されたあと、残された子グマは人間を怖がることを知らず
さまよい歩いた結果、春から夏にかけてクマの出没が増えた原因と考えられています。
新潟県内の2024年クマ出没状況は?
新潟県によると、クマの目撃と痕跡を含む出没情報は523件(9月19日現在は701件)
に上っています。
102頭が捕獲され、4件の人的被害が起きています。
2022年はブナが豊作の年で、エサを十分に得たクマは子供をたくさん出産したため、
子熊が増えたとみられています。
9月から冬眠時期にかけての間は、最もクマの被害に遭いやすい時期ですので、
注意が必要です。
クマ出没マップをチェック
新潟県のホームページでは【クマ出没マップ】を掲載、
過去にクマが出たエリアがすぐにわかるようになっています。
【クマ出没マップ】によると、県内の山間部と山間部に近い平野部ほぼ全域でクマが出没しており、
クマが出ていない地域は海岸部と一部の平野部、佐渡地域に限られます。
今年のブナの実は不作で、上越・魚沼・中越では凶作、
下越では並作とされています。
参考:ツキノワグマによる人身被害を防ぐためにー新潟県ホームページ
高齢者の単独行動が危ない?
山菜やキノコ採りなどで高齢者が一人で山に入って、クマと遭遇し襲われるケースが多いようです。
また森林・農作業中にもクマによる被害が発生しています。
クマの被害に遭わないためにはどうすればいい?
クマの被害に遭わないためにできることがいくつかあります。
単独行動はとらない、音を鳴らしながら山へ行くなどが主なものですが、
下記に具体的にご紹介します。
クマが出没した地域に入らない
「クマ出没マップ」を確認し、過去にクマが出た地域には行かないようにします。
普段ネットを使わない高齢者の方には、周囲の方が日々更新されるネットの
「出没マップ」を教えてあげるのもいいかもしれませんね。
クマの糞や足跡を見つけたら
クマの糞や足跡を見つけたら、すぐ近くにクマがいる可能性があります。
速やかにその場を離れましょう。
一人で山に行かない
単独で山に入った場合、クマが近くにいることに気づかなかったり、
万が一クマに遭遇したときは、対処が大変難しくなります。
山へ行くときは一人で行かず、必ず2人以上で行動しましょう。
食べ残しやごみを屋外に置かない
前述の通り、今年2024年はブナが不作とされています。
よってエサを求めて、クマが人間の居住域に入り込んでくる可能性があります。
食べ残しや食べ物が入っていた容器、生ごみ、収穫した野菜や果実などは屋外に置かず、
速やかに撤収します。
エサになりそうなものは野外に置かない、ということですね。
鈴やラジオを鳴らす
鈴やラジオを鳴らして音を出すのは、自分の存在をクマに知らせるためです。
ただしラジオは、放送を聴くのに夢中になってしまうとクマが近くに来ていることに
気づかないこともあるため、注意が必要です。
ペットはリードを付ける
散歩させるときもそうですが、家の外に犬などペットを置く際は、
必ずリードを付けて管理しましょう。
ペットにリードを付けず放し飼いにしておくと、クマに襲われたりすることが考えられます。
ハチやアリの巣は撤去
クマはハチの巣やアリの巣が好きです。
ハチの巣は丸ごと食べ、スズメバチも平気です。
クマは毛皮が厚く、スズメバチの毒針が刺さらないからです。
クマは雑食性なので、地中のアリの巣も掘って食べます。
ハチの巣だけ取って食べて帰ってくれればいいのですが?
そんな場面に私たちが鉢合わせしたら、クマはこちらに牙をむくかもしれません。
まとめ
ここ数年、クマの出没が急増し都市部でも目撃されるようになっています。(アーバンベア)
クマと遭遇する機会は高齢者だけでなく、子どもから大人までほぼすべての人に起こる
かもしれません。
クマの出没はエサ不足だけでなく、環境の変化なども関係しています。
クマと共存できるかどうかよくわかりませんし、できるだけクマには会いたくありません。
「人間の居住域に来てはいけない」ことをクマによく教えた方がいいのではないかと思います。