給食にジビエを取り入れる小中学校が、西日本を中心に全国で急速に増えています。
新潟県内でジビエ給食を提供している学校はあるのでしょうか?
そもそもジビエとは?
ジビエとはフランスの食文化の1つで、狩猟で捕獲した鳥獣の肉を「食肉」
として食べることです。
ジビエは、野生鳥獣肉という意味のフランス語です。
フランスでは特に、貴族の食文化として長いこと育まれてきました。
日本でも地域によって昔から、イノシシやシカなどのジビエを食べる
習慣がありました。
ジビエが昨今注目を集めるようになったのは、農作物や家畜に危害を
及ぼすジビエを駆除した際、そのまま処分するのはもったいないと
いう観点から、転じて食用に使われるようになりました。
ジビエはヘルシー食材
現代の健康志向の高まりと相まって、ジビエブームが続いています。
ジビエは、低カロリーで栄養豊富な食材です。
鹿肉を例に挙げると、たんぱく質や鉄、ビタミンが牛肉より豊富に含まれています。
特にアミノ酸の一種「アセチルカルチニン」が多く含まれ、
ストレスや疲労回復に効果的とされています。
またイノシシ肉は豚肉の3倍のビタミンB12を、4倍の鉄分を含んでいます。
ジビエは低カロリーで高たんぱく・高栄養なので、スポーツ選手やダイエット
をする方にはもちろん、高齢者の介護食にも取り入れられています。
ジビエ肉はクセが強い?
ジビエ肉は獣臭い、クセがある、というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
ジビエ肉はきちんと血抜きなどの下処理を行えば、臭みはありません。
またジビエ肉は味が濃く、滋味があり噛み応えがあります。
噛めば噛むほど味わい深く、その魅力に取りつかれる人も少なくありません。
ジビエ肉はよく言えば噛み応えがあるものの概して硬いので、
挽肉にして調理すると大人も子どもも食べやすいと思います。
ジビエを食べる際気を付けること
ジビエは十分加熱してから食べるのが鉄則で、これは他の家畜肉
(豚、牛、鶏)と同じですね。
よく加熱しないジビエは、E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌、
サルコシスティスなどの寄生虫等食中毒の原因になります。
ジビエ給食は西日本に多い
ジビエを給食に提供する学校は、直近5年間で2.5倍も増えていて、
西日本に多いのが特徴です。
最も多いのは大分県で、ジビエを給食に利用している学校の割合は何と、
46%にも上ります。
大分では、かなりジビエが浸透していますね。
次に多いのは和歌山県で27%、続いて長野県と愛媛県がともに15%、
兵庫県が13%と続きます。(2022年の調査)
参考記事:ジビエ給食が急拡大・東西で温度差(Yahoo!JAPANニュース)より)
なぜ西日本に多いの?
ジビエ給食が西日本で多いのはなぜでしょうか?
これは地形が関係しているようです。
西日本では、人間と鳥獣が住む地域が近い「中山間地帯」が多く存在します。
これによりジビエを捕獲する機会が多く、廃棄するよりは活用する流れが
できています。
西日本でジビエ活用が進んでいる背景には、捕獲から加工、流通、給食提供
までの取り組みを自治体が積極的に行っているケースが多いそうです。
どんなジビエ料理が給食のメニューに?
学校給食で提供されているジビエ料理は、
・鹿肉のカレー
・鹿肉コロッケ
・イノシシのすき焼き風煮物
・鹿肉ハンバーグ
などがあり、どれも子どもたちが食べやすそうなメニューですね。
ジビエと言っても調理法は豚肉や鶏肉と同じで、ミンチにしたり、
スライスや角切りにしたりして使います。
新潟県ではどうなの?
新潟県では今現在、学校給食にジビエを提供している学校はありません。
地域によってはジビエの食文化を持つところもあるようですが、かなり限定的ですし、
新潟ではジビエの浸透度はかなり低いと思われます。
一般のスーパーでジビエが普通の販売されるようになれば、
学校給食でも普及する可能性はあるかもしれません。
なぜ新潟ではジビエが浸透していないか?
新潟県でジビエが広がらない理由を、個人的に考えてみました。
・ジビエの捕獲から加工までの施設の整備が不十分。
・越後平野が広大で、ジビエが生息する地域が西日本に比べ少ない。
・ジビエの食文化が限定的。
昔、山間地に暮らしていた私の母から、子どもの頃は時々イノシシや
タヌキなどを捕獲して調理して食べたことがあったと聞いたことがあります。
タヌキ汁は独特のにおいがして、臭かったけどとてもおいしかったそうです。
昔はたんぱく源が少なかったので、鳥獣の肉は大変なごちそうだったそうです。
気候変動で家畜の飼育がうまくいかなくなると、そのうちジビエ肉が普通に
食べられるようになるかもしれませんね。
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