劇場アニメ【BLUE GIANT】（ブルージャイアント）は、「ジャズ、やるべ」と仙台からテナーサックス片手に上京した18歳の若者・宮本大とその仲間たちが織り成す、ジャズ一筋の青春を描いた映画です。原作は石塚真一先生のコミック、劇中の演奏はプロの奏者によるもので、見ごたえ聴きごたえ満点の映画です。
アニメ映画BLUE GIANTのあらすじ
劇場版アニメ映画「BLUE GIANT」は、「いつか世界一のサックスプレーヤーになる！」夢を心に秘め、冬の河原で練習に明け暮れる大の仙台時代から始まります。
18歳の宮本大（みやもとだい）は故郷・仙台を離れ上京し、同級生の玉田俊二のアパートに転がり込みます。
ある日、ライブで見た腕のいい若きピアニスト・沢辺雪祈（さわべゆきのり）の演奏に圧倒された大は、彼に一緒にバンドを組むことを提案。
素人ながらも力強い大のサックスの演奏を聞き、18歳ながらプロ並みの実力を持つ沢辺は何か感じるものがあり、大と組むことを決めます。
ただ2人のバンドにはドラム担当がおらず、募集してみるものの、なかなか見つかりません。
一方玉田俊二は、憧れの一人暮らしと大学生活を手にし、サッカー部に入ったものの、他の部員とのサッカーに対する温度差を感じ、モヤモヤしていました。
大の情熱的なサックスを聞き、「自分も楽器をやってみようかな…？」と思い始めていたところ、
大は玉田に「自分のバンドでドラムをやらないか」と誘いかけます。
玉田がずぶの素人であることを承知の上の誘いであり、沢辺は大反対。
3人でのセッションでは、まったく音がかみ合わず、散々でした。
しかし玉田はあきらめず、ドラム教室に通い猛練習を積みます。
沢辺は玉田をやめさせるべきと反対し続けますが、大は「下手でも感動できればいい」と玉田にドラムを続けさせたのでした。
次第に玉田のがんばりを認め始める沢辺、3人はついにバンド「JASS」（ジャス）を結成。
初めてのライブは聴衆が3人だけ、まだ不慣れな玉田のドラムは、ほかの2人の演奏には及びません。
「バンドを抜けようか…」自分の技量のなさに落ち込む玉田に大は、「思ったより悪くなかったよ」と励まし、玉田はやはりドラムを続ける決心をしたのでした。
JASSは地道にライブ活動を続けるうちに、熱のこもった演奏が評判となり、徐々にファンが付くようになります。
バンド活動を続けていくうち、最初は2人の演奏など聞けたものじゃないと思っていた沢辺も、回を重ねるごとに大や玉田の演奏がうまくなってきたことを実感しはじめます。
沢辺は、日本で最高のジャズのステージであるライブハウス「So Blue」へ、JASSとして出演することを目指すように。
ある日「So Blue」の支配人・平にJASSの演奏を聴いてもらったところ、その日のライブは満足のいく出来栄えだったはずなのに、平の感想は思いもよらないものでした。
平は大と玉田の演奏はよかったが、沢辺のピアノはテクニックばかりが目に付き、「全然だめだ」と答え、酷評されたのです。
打ちのめされる沢辺、しかも大からも平と同じ様なことを言われ、玉田は沢辺をかばったものの、
大の沢辺に対するライブの感想もまた、厳しいものでした。
テクニックやうまさばかりが前面に出ていたものの、実は平は、沢辺のピアノの実力を内心認めていたのです。
「So Blue」に出演予定だった海外バンドの来日公演で、メンバーの一人が出演できなくなり、代役として急遽沢辺のもとに平からオファーが。
大と玉田の後押しもあり、沢辺はピンチヒッターのピアニストとして出演を決めました。
当日のプレイは代打とはいえ、沢辺の実力がいかんなく発揮された見事なステージとなり、幕を閉じました。
そしてその後平から、「JASS」として「So Blue」への出演オファーがあり、ついに3人は憧れのステージに3人で立つという夢がかなう瞬間がやってきたのでした。
物語はこれで終わりではありません。衝撃の展開が・・・！
主人公・宮本大の声にはあの山田裕貴
「BLUE GIANT」は実写ではなくアニメ映画ですので、各キャラクターごとに俳優が、声を担当しています。
主人公・宮本大の声は、若手実力派俳優の山田裕貴さんが演じています。
山田さんと言えば最近の活躍ぶりは目覚ましく、ドリフターズの志村けんさん役など、幅広い役柄を確かな演技力で演じています。
私は「BLUE GIANT」を見て、大の声は山田裕貴しかいない！と思ったほど見事にマッチしたキャスティングだと思いました。
普段の大は明るく元気ですが、JASSがバンドとしてスタートし成長していくまでの間、様々な紆余曲折を経ています。
その中で一貫しているのは、大が常に「俺は世界一のサックスプレーヤーになる」という壮大な夢を持ち、明けても暮れてもジャズ・サックス漬けになっていることです。
大のサックスはほぼ独学、しかも高校生から始めたので、幼いころからピアノを弾いている沢辺から見て、正直うまいとは言えませんでした。
しかし大のサックスには、他の人にはない何か情熱的なものがあり、誰よりもサックスが好きでうまくなりたい、いいプレーヤーになりたいという気持ちが溢れているのです。
サックス演奏はプロの奏者が演じ、実際に山田さんが吹いているのではありませんが、山田さんは豊かな声の表情で、そんな宮本大の気持ちや生き方までも見事に演じていたと思います。
沢辺雪祈の声は間宮祥太朗
沢辺雪祈の声は、俳優の間宮祥太朗さんが演じています。
沢辺は大や玉田と同じ18歳ながら、ちょっと斜に構えた皮肉屋的な一面がある男で、
見た目も大人っぽい人物です。
常にクールであまりカッカとしない、自分のピアノの腕前に自信たっぷりで、自惚れ屋かもしれません。
ある意味、ジャズをやることに対し、常に熱い思いをたぎらせている大とは正反対の、そんな沢辺の性格は、間宮さんの声の雰囲気にぴったりだと思います。
玉田俊二には岡山天音
玉田はドラムを始めるまでは、ごく普通の青年でした。
大学に入ったら彼女を作りたいなど、自分なりの夢のキャンパスライフを思い描いていた玉田でした。
サッカー部に入部するも、周囲は試合に勝つことよりも、「楽しくサッカーをやろうぜ」と言ったお遊び的な雰囲気に違和感を持ち続けていました。
実は玉田も意外に？熱い思いを秘めていたのかもしれません。
ドラムにのめり込み、沢辺に「下手だ」とけなされてもめげずに、練習に打ち込みます。
そんなひたむきな人物像を、岡山天音さんの声の演技はうまく引き出しています。
プロの奏者による演奏シーンは迫力満点！
BLUE GIANT劇中の各パートの演奏シーンはプロのジャズ奏者によるもので、大変聴きごたえがります。必聴の価値大！です。
サックス・宮本大・・・奏者は馬場智章氏
ピアノ・沢辺雪祈・・・奏者は上原ひろみ氏
ドラム・玉田俊二・・・奏者は石若駿氏
粗削りではあるが、パッションほとばしるサックス、
繊細でテクニック豊富で安定感のあるピアノ、
出過ぎず引っ込みすぎず素直なドラム。
各キャラクターの人柄まで表現しているような演奏に、感嘆！しました。
BLUE GIANTは石塚真一原作の大人気コミック
BLUE GIANTは、石塚真一先生原作のコミックです。
2013年～2016年まで小学館ビッグコミックスに掲載されており、全10巻です。
物語は大まかに3つに分かれていて、
・第１部・・・仙台・東京編
・第２部・・・BLUEGIANT SUPREME（ヨーロッパが舞台）
・第３部・・・BLUEGIANT EXPLORER（アメリカが舞台）＊現在連載中
BLUE GIANTは、シリーズ累計部数1100万部を超える大人気コミックで、若者がひたむきにジャズをやるという題材はユニーク、しかも見ていて、夢を追う姿を応援したくなります。
今回アニメで映画化され、コミックで読むのとはまた違った面白さがあると思います。
ちなみにBLUE GIANTは、
・2017年 第62回「小学館漫画賞」（一般向け部門）
・2017年 第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞
などの受賞歴があり、漫画作品として高く評価されています。
BLUE GIANTはどういう意味？
BLUE GIANTは直訳すると「青色巨星（せいしょくきょせい）」、
高温の星ほど色は青く光っており、青く輝く巨大な星という意味になります。
大は仙台時代、雪がちらつく真冬に河原で何時間もサックスを吹き続けている姿を、
サックスの先生に目撃されています。
その姿に「こんな寒い時期、外でサックスを吹き続けるなんてまともじゃない、異常だ。
この子はただもんじゃない」と感じた、というエピソードがアニメの劇中に出てきます。
無名時代の大を知るこの人は、彼を評してこのように「BLUEGIANT」と言っています。
BLUE GIANTのコミックが全巻揃う「漫画全巻ドットコム」
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新刊はもちろん、中古品も手に入ります。
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ブルージャイアント BLUE GIANT SUPREME (1-11巻 全巻)
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ぜひ「BLUEGIANT」を全巻揃えて一度熟読してみてください！
その世界観にどっぷりハマること、間違いなしですよ～＾＾
サックスをやってみたい！と思ったら
BLUE GIANTで、大が吹いているサックスは「テナーサックス」ですが、
テナーサックスを吹きこなすには、相当の肺活量や筋肉量が必要です。
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