黄色い表紙でおなじみ、NTTの紙の電話帳
「タウンページ」の廃止が決定したほか、
電話番号案内「104」がサービス提供を
終了することになりました。
ここで心配なのが、ネットの苦手な高齢者は
この先どうやって電話番号を
調べたらいいのでしょうか?
タウンページの歴史は130年余り
NTT東日本とNTT西日本は、2026年3月に
紙の電話帳「タウンページ」の廃止することを
発表しました。
タウンページは企業やお店の情報がぎっしり
詰まった情報誌で、1890年に発行された
国内初の電話帳「電話加入者人名表」が
始まりです。

電話帳の歴史は古いですね。
タウンページは各世帯や事業所に無料で
配布され、地域のお店の情報や企業の営業
活動などに盛んに活用されてきました。
なおタウンページと一緒に、個人の電話番号や
住所が掲載された「ハローページ」も
発行されていましたが、2021年10月を最後に
発行終了しています。
タウンページが廃止になると、ハローページとともに
NTTが発行する紙の電話帳は
すべて姿を消すことになります。
タウンページ廃止の理由
タウンページの発行部数は2005年がピークで、
何と6310万部という驚異的な数字でした。

国民2人に約1冊くらいの割合でしょうか?すごいですね。
しかし2023年には、半分以下の2662万部にまで
部数が落ち込んでしまいました。
タウンページ発行部数落ち込みの理由は、
スマホやSNSなど電話以外の連絡手段が
大きく発達したことです。
またネット版タウンページの検索サイト
「iタウンページ」では、
スマホアプリバージョンも登場し、
機能も充実していることから、
個人の利用者だけでなく企業でも
紙のタウンページよりはネット版の方
を活用する流れに移行しつつあります。
またスマホなどの携帯電話の普及で、
固定電話の需要が低迷していること、
個人情報保護に関する社会の関心が高まり、
個人の住所や名前を掲載することに対する
敬遠感も一因となっています。
固定電話や公衆電話もなくなるの?
タウンページの紙の電話帳は廃止されますが、
固定電話のサービス提供はNTTの義務であること
から、まだ廃止される予定はありません。
また公衆電話は災害発生時の連絡手段として、
大変貴重な存在です。
公衆電話は総務省がNTT東西に設置義務を
課しており、廃止の予定は全くありません。
不要なタウンページはどうすればいい?
不要なタウンページは、お住まいの自治体の
古紙回収に出すことができます。
雑誌や新聞紙と一緒に、まとめて回収して
もらいましょう。
便利なサービス・電話番号案内104
電話番号が知りたい時すぐに調べられるのが、
NTTのサービス「104」です。
局番なしで104とダイアルすると、
名前と住所を伝えるだけで全国の電話番号を
案内してもらえる、有料サービスです。
104のサービスは1989年に登場し当初は
無料でしたが、あまりに赤字額が大きく、
翌1990年には有料サービスに切り替わっています。
さらに1995年には、深夜早朝利用や多数利用
での利用料金割増制度が導入されました。
サービス終了の理由
104サービス終了も、スマホの利用増加が要因です。
スマホで電話番号が検索できるようになると、
利用者が激減。
利用者減には歯止めがかからず、利用件数は
1989年の約12億8,000万回をピークに、
2022年には約2,000万回にまで落ち込みました。
104電話番号案内も、2026年3月末に終了する予定です。
ネットが苦手な高齢者はどうする?
ネットが苦手な高齢者の方はたくさん
いらっしゃいます。
中にはスマホ自体持っていないという方も。
「TVが壊れた」
「エアコンが壊れた」
「病院の電話番号がわからない、忘れた」
若い方から中高年までは、スマホを使って
電話番号を調べることはできますが、
そもそもネットの検索の仕方がわからない
高齢者が電話番号を調べたいときは、
これからどうすればいいのでしょうか?
家族など周囲の人に聞く
やはり周囲の人に聞くのが手っ取り早い
でしょうか。
高齢者は、電話帳など文字の細かい分厚い本
を見るのを嫌がります。
お子さんやお孫さんなどがそばにいる場合は、
ぜひ調べてあげてください。
知りたい電話番号がわかったら、必ず紙や
アドレス帳に記載しておきましょう。
小さい紙ではなく大き目の紙に、太い字で
大きく書き、失くさないように壁に貼るなど
すれば、次に必要な時にすぐに役立ちます。
スマホを購入して検索方法を教える
スマホを持ち出ない場合は、本人に
「スマホを使うようにする」意思確認をして、
スマホを購入し、使い方を教えるのもおすすめです。
ご家族が直接教えなくても、スマホショップでは
親切丁寧に使い方を教えてくれるほか、
シニア向けの「らくらくホン」もあるので、
ご本人が使う気があれば大丈夫かもしれません。
天気予報「177」も終了へ
NTT東西で利用できる、気象庁が提供する
天気予報サービス「177」も
2025年3月末で終了します。
市外局番なしの「177」をダイアルすると、
「新潟地方気象台発表の〇月〇日〇時
現在の気象情報をお知らせします」
とアナウンスの後に、お住まいの地域の
天気予報を知らせてくれるというものです。
1955年に始まった電話の天気予報サービス
ですが、ネットの普及から利用減少に傾向が
続いており、ついにサービス終了を決めたものです。
天気予報を調べるには、テレビやラジオ、新聞の
他にネットでも詳しい気象情報が手に入るため、
電話サービスを利用する人が減っているという
のはうなずけます。
ただ177の天気予報は6時間
(午前午後各11時と午前午後各5時)ごとに
更新されるので、目まぐるしく変わる気象情報を、
ネットが苦手な高齢者が入手するには大変便利な
サービスだと思います。
昭和世代には定着感のある電話サービスの一つ
ですので、終了は残念であり隔世の感があります。
野口五郎さん歌唱の名曲「ダイアル177」
歌手の野口五郎さんの曲で、「ダイアル177」という
曲があります。
(伊藤アキラ作詞・1981年発表)
177サービス終了を知って、この曲を思い出しました。
大変歌唱力のある野口五郎さんが歌う、
男の強がりがテーマの曲で、曲の題材になるくらい
177のサービスは定着していたのですね。

野口五郎さんのヒット曲の一つ「ダイアル177」
まとめ
紙の電話帳「タウンページ」の廃止とともに、
電話番号案内104のサービスや天気予報177
も廃止予定というのは高齢者にとっては、
ちょっと困ることではないかと思っています。
高齢者の主な通信手段はほぼ「電話」ですので、
電話番号を調べることができない
というのは、ある意味絶望感?もあります。
親御さんが一人暮らしという方は、
お子さんやお孫さんがこまめに訪問して
困っていることはないか見てあげたり、
また近所の方にお願いしておくなど、
電話番号調べだけに関わらず
何かしら対策が必要なのかもしれません。